| 自分の存在を実感する社会 |
| 内科医 納 利一 58歳 |
| 中学生のナイフ問題、容疑者や責任者の自殺。なぜだろう。どうしたらよかろうか。 |
| 私たちは知らず知らずのうちに自分の存在価値を実感しにくい社会をつくってきたよ |
| うである。お金や法律、集団の利益の方が個人の生命よりも優先する社会。だれかが |
| 消えた方が、自分が消えた方がよいのでは、と思う人が多くなる社会は病気であろう。 |
| 人間だれしも、だれかの役に立ち、評価されることを求めている。助け合い、感謝し |
| 合って生活できる社会が健康な社会であると言えよう。 |
| 地域社会は生命と文化の「かけはし」の場である。赤ちゃんからお年寄りまで、病弱 |
| であろうが元気であろうが、一人ひとりが自分の存在をかけがえのない生命の一つと |
| して実感できる社会。これからの全員参加の共生社会づくりのことを「むらまちづくり」 |
| と呼びたい。 |
| 古今東西の知恵を集めて、健康づくり・むらまちづくり。地域の健康から世界の健康 |
| へ。現在の健康から未来の健康へ。 |
| 1998年 (平成10年)3月17日 南日本新聞 「ひろば」 より転載 |
| むらまちづくり甲突川 |